
145回目の今日お届けしたのは、「MONGOL800/小さな恋のうた」でした。
「彼らのライブを初めて観たのは、1999年1月でした。地元の先輩バンドが主催したイベントに彼らが出演していて、私はゲストバンド「ハスキング・ビー」目当てて、ライブを観に行っていたんです。そのライブのオープニングアクトとして出演したのが、当時高校3年生の彼らで、とにかく楽しそうに演奏する姿が初々しかったのが印象的でした。演奏していた曲も、キャッチーな曲ばかりで、初めは"誰かのカバー曲か"と思っていましたが、違っていたんです。ライブが終わって、声を掛けたら、全曲オリジナルという事が分かって、ビックリしたんです」
MONGOL800との出会いについて、マネージャーの比嘉さんは、こう振り返ります。
1998年7月、沖縄県浦添高校の軽音楽部の同級生、上江洌清作と儀間崇、そして高里悟の3人は、「Hi-STANDARD」や「ザ・ブルー・ハーツ」など、お互いが好きだった音楽を通して、バンド「MONGOL800」を結成します。上江洌、儀間、高里の3人は、直ぐにオリジナルを2曲作って、彼らの地元・浦添市のお祭り「てだこまつり」に出演します。地元での評判を集めたMONGOL800は、自主制作CDを作ってライブ会場で手売りしたり、12月に宜野湾で行われた「スネイルランプ」のライブに、フロントアクトとしても出演。"モンパチ"の愛称で、ティーンエイジャーを中心に、沖縄県内の音楽ファンから注目を集めていきます。
翌1999年春、高校を卒業したメンバー3人の内、上江洌と儀間の二人は、沖縄県内の大学に進学、ドラマ―の高里悟だけが、沖縄を離れ徳島の四国大学に進学します。沖縄に残った上江洌と儀間の二人は、高里が不在の時にはサポートドラマ―を加えて、地元のイベントに積極的に参加します。また、GWや夏休みなどを利用して高里が沖縄に帰ってきた時には、メンバー3人が揃わないとできない、レコーディングなどの作業を中心に、バンド活動を続けていきます。
1999年秋、MONGOL800は、「Hi-STANDARD」や、「BRAHMAN」の沖縄ライブのフロントアクトを務めるなどして、沖縄のロックファンの間で、さらなる人気を獲得する一方、アルバム制作作業を進め、12月に1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』を、沖縄県内限定で発売するのでした。
1999年12月、MONGOL800は、1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』を沖縄県内限定で発売、アルバム収録曲の「Party」が、沖縄県内の企業のTVCM曲として起用されたこともあって、『GO ON AS YOU ARE』は、発売直後に、タワーレコード那覇店で月間アルバム売上1位を獲得します。
「初め、彼らに"アルバムの初回プレスは、2,000枚だよ"と伝えたら、"こんなに売れないよ"って自信なさそうに言っていたんですが、蓋を開けてみたら、販売したショップはどこも完売。一旦、販売を中止することになったんです」。
アルバム『GO ON AS YOU ARE』は、発売期間わずか1ヵ月足らずながら、那覇店の年間アルバム売上チャートの8位を記録。モンパチは、沖縄で圧倒的な支持を集めるようになっていきます。
2000年に入っても、MONGOL800は、ライブ活動を積極的に展開し、その相乗効果もあって、アルバム『GO ON AS YOU ARE』は、発売3ヵ月で1万1000枚のセールスを記録。その噂をききつけた全国の音楽ファンからの問合せが殺到し、アルバム『GO ON AS YOU ARE』は、4月から全国発売されることになります。
「『GO ON AS YOU ARE』の全国発売で、またたく間にモンパチの知名度は、日本中へ広がっていきました。でも彼らは、あくまで自分達のペースを崩そうとはせずに、沖縄に残った上江洌、儀間の二人を中心に、沖縄をメインにライブ活動を続け、オファーがあると沖縄から出掛け、また戻ってくる、という生活を送っていたんです」。
MONGOL800は、2000年の夏に、「SUMMER SONIC 2000 OSAKA」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」など全国各地で行われた、野外ライブイベントにも出演。その後は、メンバーの高里悟の長期の休みの合間をぬって、レコーディングを続けていきます。
そして2001年春、MONGOL800が作った未発表の楽曲「あなたに」が、洗剤のCMソングに起用されます。
「この曲は、「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」に出演した時に、ライブで演奏したことがキッカケで、広告代理店の方から声を掛けていただき、CMソングとして使われることが決まったんです。初めは、メンバーの希望もあって、
CMをOAする時にはMONGOL800の名前は出さずにOAされていたんですが、CMを見た視聴者から、曲のリリースに関しての問合せがライオン側に殺到する騒ぎになったんです。」
そんな中、MONGOL800は、この未発表曲「あなたに」を含んだ、2ndアルバム『MESSAGE』を9月に発売します。
2001年9月に発売された、MONGOL800の2ndアルバム『MESSAGE』は、収録曲の「あなたに」が話題を呼んでいたこともあって、セールスチャート初登場8位を記録します。
「アルバムを発売した後、全国9都市で初めての全国ツアーを行ったのですが、それまで、口コミだけでしか知らなかったモンパチを、ライブで観られるとあって、どこの会場もティーンエイジャーを中心に溢れかえりました。シンプルかつ、ポジティブ、"夢をあきらめないで"といったストレートなメッセージが、彼らの心をキャッチしたんです」。
翌2002年、アルバム『MESSAGE』の収録曲の中から、CM曲として起用された「あなたに」に次いで、ある曲がアルバムからのリード曲として、TVやラジオなどのメディアを通して、OAされていくことになります。
「この曲は、1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』を発売した直後には、すでにあった曲でした。
彼らは、1stアルバムが売れたからと言って、自分達の生活のリズムを崩すのではなく、バンド活動よりもむしろ、学校に通いながら教職免許や自動車整備士の免許の取得に一生懸命で、その合間に音楽活動をしていました」。
「とにかくモンパチは、ゆっくりと時間が流れる沖縄で、自分達の日常に根差した等身大のことを、歌詞に書いているんです。あくまで趣味の延長線上のような感覚での音楽活動、そう言った感じでしょうか。だれに強制される訳でなく、大好きな音楽を作って、聴き手と共有することだけを、バンド結成当初から楽しみにしていました。そのリアリティ溢れる点が、聴く人の心に突き刺さったんでしょう」。
2002年4月、アルバム『MESSAGE』はセールスチャートでミリオンセラーを突破すると、翌週には、インディーズレーベルからリリースされた作品としては初めて、セールスチャート1位を獲得します。と同時に、アルバムのリード曲「小さな恋のうた」も、大きな反響を呼ぶことになるのでした。
アルバム『MESSAGE』に収録された、この「小さな恋のうた」は、メディアを通して大量にOAされ、カラオケチャートで
14週連続2位を記録するなど、若者たちの圧倒的な支持を集める曲となります。
「優しくて、切なくて、力強くて、メロディも、歌詞も心に残る。チャートは特に意識していませんでしたが、家族や親せき、友人など、自分たちの周りの人間からの、この曲に対する反響が大きかったことが、その後の彼らにとっては一番大きな支えになったんです」
最後に、マネージャーの比嘉さんはこう語ってくれました。
何をてらうことも無い、J-POPのラブソングの名曲が生まれた瞬間でした。
今日OAした曲目
M1.have you ever seen the rain/Hi-STANDARD
M2.Party/MONGOL800
M3.あなたに/MONGOL800
M4.小さな恋のうた/MONGOL800