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食卓音楽


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2009年1月 9日
「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR/L⇔R」

第67回目の今日お届けしたのは、「L⇔R/KNOCKIN' ON YOUR DOOR」でした。

「僕が幼稚園の時、当時大学生だったふたりの従兄弟が、よく僕の家にレコードを持って遊びに来ていたんです。一人はビートルズ、レッド・ツェッぺリン、そしてプログレッシブ・ロックが大好で、もうひとりは、ビーチボーイズやイーグルスなど、アメリカンポップスが大好きでした。従兄弟達は、遊びに来る度にレコードをかけていたし、その従兄弟達が、僕を初めて映画に連れて行ってくれたんですが、子供向けのアニメではなく『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』『レット・イット・ビー』、そしてローリング・ストーンズの『ギミー・シェルター』の3本立を観に連れて行ってくれたんです。そんな感じだったので、歌謡曲よりも洋楽が自然と耳に入ってきました」。L⇔Rのメンバー、黒沢健一は、こうやって音楽と出会います。

1968年8月、茨城県日立市に生まれ、大学生の従兄弟たちによって、幼稚園時代から洋楽に目覚めさせられた黒沢健一は、高校に進学すると中学時代の同級生達とバンドを結成します。「中学生の時、従兄弟から貰ったギターを見様見まねで弾いていましたが、本格的に弾くようになったのは、バンドを結成してからです。結成当初は、メンバーのひとりの家に倉庫があり、そこを借りて練習していました。しばらくすると、もっと広い場所で大きな音を出してみたいなぁ、と思うようになり、じゃあ、自分達のオリジナル曲を作ってコンテストに出よう。そうすれば、大きな会場で、思いっきり音を出せる。そんな単純な思いで、コンテストに出ることを決めました」。
1985年、バンドの仲間達と初めてオリジナル曲を作り、コンテストに出場した黒沢健一は、偶然コンテストを見にきていた音楽事務所のスタッフに、「ボーカリストとしてデビューしないか」という誘いを受けます。高校卒業後の1988年、黒沢健一は、作曲家としての能力も評価され、南野陽子、島田奈美といったアイドル歌手への楽曲提供を行うようになります。

「僕は、元々、ボーカリストとして表に立つよりも、バックミュージシャンなど裏方の方が興味ありました。小学生の頃、『ザ・ベストテン』などの歌番組を見ていても、歌手よりもバックバンドの人たちの使っている楽器やアンプに興味が行くようなタイプでしたし、誰が歌っているかというより、この曲を誰が作ったのかという部分に目が行く変な子供だったので、人に曲を書く事はある意味とても自分で向いていると思いました」。しかし、彼のボーカリストとしての才能をあきらめきれない事務所は、1991年、黒沢健一の2歳年下の弟で、当時、別のバンドを組んでいた黒沢秀樹と一緒にバンドを組むことを提案。さらに、黒沢健一の友人から紹介された、ベーシスト木下裕晴を加えた3人で、バンド「L⇔R」(エルアール)を結成させます。

1991年11月、ポリスターレコードからミニアルバム『L』でデビューを果たしたL⇔R。「デビューの時、プロデューサーを務めてくれたのは、プログレッシブ・ロックバンド「四人囃子」の岡井大二さんでした。岡井さんと話をして、決めたのは、“自分達がやりたい、出したい音を曲にしよう。ジャンルは拘らなくてもいい”ということでした。だから、半年以上、ひたすらスタジオに籠り曲を作りました」。黒沢さんは、デビュー当時をこう振り返ります。

音楽ファンの反応を確認するため5000枚限定で発売されたミニアルバム『L』は、音楽ファンの間での口コミのみで話題を呼び、完売します。続く12月には、1000枚限定のプロモーションアルバム『R』を、音楽関係者に配布、これも好評を得ます。音楽関係者、ファンの反応の良さを感じたL⇔Rは、音楽性の幅を広げるために、女性コーラスメンバーとして嶺川貴子を加え、1992年4月、1stフルアルバム『LEFTY IN THE RIGHT〜左利きの真実』を、翌5月にデビューシングル「LAZY GIRL」を発売します。

その後、9月に2枚目のシングル「(I WANNA)BE WITH YOU」、11月にアルバム『LAUGH AND ROUGH』を立て続けにリリースしたL⇔Rは、翌1993年2月、全国5ヵ所を回る初のライブツアーを行います。「デビュー前から約2年間、とにかく曲を作ることが楽しく、没頭していました。そして、そろそろライブを…という話があり、本格的なライブとしては3〜4年ぶりにライブを行いました。元々、僕らはアマチュア時代から、ライブで育ってきたので、待ちに待ったライブでは、楽しくライブができました」。

その後もL⇔Rは、6月に両A面シングル「恋のタンブリング・ダウン/君に虹が降りた」と、プロモーション用アウトテイク等を編集したアルバム『LOST RARERITIES』をリリース。さらに、11月には、初の海外レコーディングアルバム『LAND OF RICHES』、翌12月にはシングル「君と夏と僕のブルー・ジーン」と精力的に作品を発売しますが、コーラスの嶺川貴子が、音楽の方向性の違いから、脱退。再び3人となったL⇔Rは、翌1994年4月、心機一転、レコード会社をポニーキャニオンに移籍し、シングル「REMENBER」を発売します。

1994年4月に発売された、L⇔R5枚目のシングル「REMENBER」は、初めてセールスチャートにランクインし、チャート最高位42位を記録します。「初めてセールスチャートに入って、嬉しかったですね。デビュー当初は、曲作りに夢中で、メンバー、そしてレコード会社も、僕らを支持してくれる音楽ファンがいるなら、それでいい。そんな気持ちだったので、作品を売らないといけない、というハングリー精神は欠けていたと思います。だから、セールスチャートに入り、評価されたのは、素直に嬉しく思いました」。黒沢健一は、当時についてこう振り返ります。
ただ、レコード会社を移籍してからは、TVの音楽番組への出演、雑誌の取材などの依頼が増え、L⇔Rは多忙な毎日を送るようになります。そんな、L⇔Rの元に、1994年秋、フジテレビの大多亮プロデューサーから、ドラマ主題歌提供の話が舞い込みます。「10月に発売されたシングル「HELLO IT’S ME」のプロモーション活動の真っ只中に、翌95年の春に放送が決まっていたドラマ『僕らに愛を!』の主題歌を、L⇔Rにお願いしたい。という内容でした。プロデューサーの大多さんが、夏に、偶然、シングル「REMEMBER」を聴き、僕らを気に入ってくれて、話をくれたんです」。

「最初、僕らが次にリリースしようとしたミディアムテンポの楽曲に主題歌は決まったという話を聞いていたのですが、その後、再び大多さんから、「ドラマの収録が始まってみると、やはりアップテンポの曲がいい。作り直しをお願いできないか?」とスタッフに打診があったんです。最初、スケジュールの都合上、曲作りが難しそうだったので、スタッフは僕らにそのことを伝えるのをためらったそうですが、再度、大多いさんからお願いされて、結局もう一度トライしてみようという事になったのです」。
「作り直すことは決まったんですが、大多さんへの再プレゼンの日まで、残された時間はわずか2日間しかありませんでした。スタッフからも、初めて曲作りで急がされました。自宅で、悩んでいた時、昔よく聴いた、エディー・ホッジスの「恋の売り込み(I’M GONNA KNOCK ON YOUR DOOR)」という曲のメロディが浮び、その瞬間、サビの歌詞が出来たんです。すると、今度は、曲全体の歌詞、メロディが浮かび、わずか30〜40分で一気に曲を書き上げました。それから、近くに住んでいた弟の秀樹とベースの木下裕晴を急遽呼び、テープレコーダーを使って、デモテープを、朝6時ぐらいまで作りました。その後、少しだけ仮眠をとった後、スタジオで曲を仕上げました。翌日、大多さんにプレゼンしたら、一発OKで、気分は最高でしたね」。わずか2日間。限られた時間の中から生まれた、L⇔R7枚目のシングル「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」は、1995年5月に発売されます。

1995年5月に発売された、L⇔Rにとって7枚目のシングル「KNOCKIN’ON YOUR DOOR」。発売に先駆けて、4月からスタートした、フジテレビ系ドラマ『僕らに愛を!』の主題歌として起用されたこの曲は、セールスチャート最高位1位、約134万枚の売上を記録するヒット曲となります。「この「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」のヒットで、それまでL⇔Rの存在を知らなかった人も、L⇔Rを知ってもらうことができました。実は、去年の12月に、シャ乱Q結成20周年ライブにゲスト出演した時、つんくさんと一緒にこの「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」を歌ったんです。ライブで歌うのは、12年ぶりでしたが、観客の皆さんも、一緒に歌ってくれ、喜んでくれました。その表情を見ていると、僕も嬉しくなりました。自分にとっても、「メロディやアレンジにポップスの楽しさを詰め込んで作った出来た楽曲なので、とても大好きな曲です。」。
最後に、黒沢さんは、こう振り返ってくれました。

彼らにとっての音楽人生を切り開くキッカケとなった、J-POPの名曲の誕生の瞬間でした。

今日OAした曲目
M1.ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!/ビートルズ
M2.BYE BYE POPSICLE〜一度だけのNO.1/L⇔R
M3.REMEMBER/L⇔R
M4.KNOCKIN’ ON YOUR DOOR/L⇔R